筋トレと有酸素運動、ダイエットにはどちらがおすすめ?科学的根拠をもとに解説

「痩せるためには、筋トレと有酸素運動のどちらをすればいいの?」

ダイエットを始めるとき、多くの方が一度は悩むテーマではないでしょうか。

結論からお伝えすると、体重や体脂肪を減らすことだけを考えるなら、有酸素運動の方が短期的な効果は現れやすい傾向があります。

一方、筋肉をできるだけ維持しながら身体を引き締め、リバウンドしにくい身体を目指すなら、筋トレも欠かせません。

つまり、ダイエットには「筋トレか有酸素運動か」の二択ではなく、両方を目的に合わせて組み合わせる方法がおすすめです。

今回は、筋トレと有酸素運動の違いやダイエット効果を、科学的根拠をもとに分かりやすく解説します。

目次

ダイエットの基本はエネルギー収支

体脂肪を減らすには、基本的に「摂取エネルギーより消費エネルギーが多い状態」をつくる必要があります。

どれだけ運動していても、消費量を上回るほど食べ続けていれば、体重は減りにくくなります。

反対に、極端に食事を減らせば一時的に体重は落ちても、筋肉まで失いやすくなり、体力低下やリバウンドにつながる可能性があります。

ダイエットを成功させるには、次の3つを組み合わせることが大切です。

・無理のない範囲で食事を調整する
・運動によって消費エネルギーを増やす
・筋トレによって筋肉をできるだけ維持する

体重だけを減らすのではなく、体脂肪を減らしながら筋肉を守ることが、健康的なダイエットの基本です。

有酸素運動とは?

有酸素運動とは、比較的軽い負荷で、一定時間継続して行う運動です。

代表的なものには、以下があります。

・ウォーキング
・ジョギング
・サイクリング
・水泳
・ローイング
・スキーエルゴ

有酸素運動は運動中のエネルギー消費量を増やしやすく、心肺機能の向上にも効果が期待できます。

有酸素運動のダイエット効果

有酸素運動の大きなメリットは、運動している時間にエネルギーを消費できることです。

2024年に発表された、過体重または肥満の成人6,880人を含む116件のランダム化比較試験のメタ解析では、有酸素運動の時間が増えるほど、体重、腹囲、体脂肪率、内臓脂肪などが減少する傾向が確認されました。

この研究では、中強度以上の有酸素運動を週150分以上行うことで、腹囲や体脂肪に臨床的に意味のある変化が期待できると報告されています。

ただし、週30分増えるごとの平均的な体重減少は約0.52kgであり、運動だけで急激に痩せるわけではありません。効果には個人差があり、食事や生活習慣も影響します。

参考文献:Aerobic Exercise and Weight Loss in Adults: A Systematic Review and Dose-Response Meta-Analysis

有酸素運動のメリット

・運動中の消費エネルギーを増やしやすい
・体重や体脂肪を減らす効果が期待できる
・内臓脂肪の減少が期待できる
・心肺機能を高められる
・ウォーキングなど、初心者でも始めやすい

有酸素運動の注意点

有酸素運動を行ったからといって、必ず体重が減るわけではありません。

運動後に食欲が増し、消費した以上に食べてしまうこともあります。また、有酸素運動だけを行いながら食事を大きく減らすと、脂肪だけでなく筋肉も減少する可能性があります。

「走れば走るほど痩せる」と考えて運動量を急激に増やすと、膝や足などのケガにもつながるため注意が必要です。

筋トレとは?

筋トレは、筋肉に抵抗を加えて、筋力や筋肉量の向上を目指す運動です。

代表的なものには、以下があります。

・スクワット
・デッドリフト
・ベンチプレス
・腕立て伏せ
・ダンベルやマシンを使った運動
・自分の体重を利用した運動

筋トレは、有酸素運動ほど運動中の消費エネルギーが大きくない場合もありますが、筋肉の維持や身体の引き締めに重要です。

筋トレのダイエット効果

筋トレだけでも、体脂肪を減らす効果が期待できます。

健康な成人を対象とした58件の研究をまとめたメタ解析では、筋トレを行ったグループは、運動をしなかったグループと比較して、体脂肪率が平均1.46ポイント、脂肪量が平均0.55kg減少しました。また、内臓脂肪の減少も確認されています。

参考文献:The Effect of Resistance Training in Healthy Adults on Body Fat Percentage, Fat Mass and Visceral Fat

筋トレの大きな役割は、体重を落とすことだけではありません。

食事制限をすると、体脂肪と一緒に筋肉も減少しやすくなります。過去のランダム化比較試験では、エネルギー制限に筋トレを加えることで、食事制限だけの場合よりも除脂肪体重を維持しやすかったと報告されています。

参考文献:Resistance Weight Training During Caloric Restriction Enhances Lean Body Weight Maintenance

筋トレのメリット

・ダイエット中の筋肉を維持しやすい
・体脂肪の減少が期待できる
・身体のラインを引き締めやすい
・筋力が向上し、日常生活が楽になる
・骨や関節の健康維持にも役立つ

「筋肉を増やせば基礎代謝が大幅に上がる」は本当?

筋肉が増えると、安静時のエネルギー消費量は増加します。

ただし、筋肉を少し増やしただけで基礎代謝が大幅に上がり、何もしなくても痩せ続けるというほどの変化ではありません。

筋トレの本当のメリットは、筋肉を維持しながら脂肪を減らし、動きやすく引き締まった身体をつくれることです。

基礎代謝の増加だけを目的にするのではなく、体力や身体機能を守るために筋トレを取り入れましょう。

結局、痩せるのは筋トレと有酸素運動のどちら?

目的によって答えが変わります。

体重を減らすことを優先するなら有酸素運動

ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、一定時間続けることで消費エネルギーを増やしやすいため、体重や体脂肪を減らすことに向いています。

過体重または肥満の成人を対象に、有酸素運動・筋トレ・両方の組み合わせを比較したランダム化試験では、有酸素運動を行ったグループは、筋トレだけのグループよりも体重と脂肪量が減少しました。

参考文献:Effects of Aerobic and/or Resistance Training on Body Mass and Fat Mass in Overweight or Obese Adults

筋肉を守りながら引き締めたいなら筋トレ

ダイエット中も筋肉をできるだけ維持し、見た目を引き締めたい場合は筋トレが重要です。

体重だけを比較すると変化が小さく見えることもありますが、筋肉を維持しながら脂肪が減れば、体重以上に見た目が変わる可能性があります。

健康的に痩せたいなら両方を組み合わせる

最もおすすめなのは、筋トレと有酸素運動を組み合わせる方法です。

有酸素運動で消費エネルギーを増やし、筋トレで筋肉を守ることで、体脂肪を減らしながら引き締まった身体を目指せます。

WHOも、成人に対して週150〜300分の中強度の有酸素運動、または週75〜150分の高強度の有酸素運動に加えて、週2日以上の筋力トレーニングを推奨しています。

参考資料:WHO Guidelines on Physical Activity and Sedentary Behaviour

初心者におすすめの運動プラン

運動初心者が、最初から週150分の有酸素運動と本格的な筋トレをすべて行うのは大変です。

まずは、継続できる量から始めましょう。

週2回運動できる場合

1日目:全身の筋トレ30分+有酸素運動15〜20分
2日目:全身の筋トレ30分+有酸素運動15〜20分

これに加えて、日常生活で歩く時間を増やします。

週3回運動できる場合

1日目:全身の筋トレ30〜40分
2日目:ウォーキングまたは軽いジョギング30〜40分
3日目:全身の筋トレと有酸素運動を組み合わせたトレーニング

運動に慣れてきた場合

・筋トレを週2〜3回
・有酸素運動を週2〜4回
・1日あたりの歩数や活動量を増やす
・座っている時間を定期的に中断する

一度に長時間運動する必要はありません。

10〜20分のウォーキングなど、短い運動から始め、少しずつ時間や強度を増やしていきましょう。

筋トレと有酸素運動は、どちらを先に行う?

同じ日に両方を行う場合、ダイエットが目的であれば、絶対的な順番にこだわりすぎる必要はありません。

ただし、筋力や筋肉の維持を重視する場合は、集中力と体力が残っているうちに筋トレを行い、その後に有酸素運動を行う方法がおすすめです。

反対に、ランニング能力の向上が最優先であれば、有酸素運動を先に行う日があっても問題ありません。

順番よりも、正しいフォームで安全に行い、運動を継続することの方が重要です。

ダイエットで避けたい3つの間違い

1.有酸素運動だけを長時間行う

有酸素運動は体脂肪の減少に効果的ですが、それだけに偏ると筋力の維持が不十分になる場合があります。

週2回程度の筋トレも取り入れましょう。

2.筋トレをすれば食事を気にしなくてよいと考える

筋トレをしていても、摂取エネルギーが消費エネルギーを大きく上回れば、体脂肪は減りにくくなります。

運動と食事はセットで考える必要があります。

3.短期間で結果を出そうとする

極端な食事制限や急激な運動量の増加は、体調不良やケガ、リバウンドにつながる可能性があります。

短期間で体重を大きく減らすのではなく、数か月単位で継続できる方法を選びましょう。

まとめ:ダイエットには筋トレと有酸素運動の両方がおすすめ

筋トレと有酸素運動には、それぞれ異なる役割があります。

・体重や体脂肪を減らすなら、有酸素運動が効果を出しやすい
・筋肉を維持し、身体を引き締めるなら、筋トレが重要
・健康的なダイエットには、両方の組み合わせがおすすめ
・運動だけでなく、無理のない食事管理も必要
・最も大切なのは、継続できる方法を選ぶこと

ダイエットでは、体重計の数字だけを見る必要はありません。

体脂肪率、腹囲、写真、洋服の着心地、筋力、疲れにくさなども確認しながら、身体の変化を評価しましょう。

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※持病がある方、治療中の方、運動制限を受けている方は、運動を始める前に医師へご相談ください。

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この記事を書いた人

NOTA GYMは、現役の理学療法士としての知識と経験をもとに、一人ひとりの身体づくりに寄り添うセミパーソナルジムです。運動初心者の方から身体機能の改善を目指す方まで、それぞれのお悩みや目的に合わせたサポートを行っています。

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